DanisH’s blog

生活の隙間に

小説 主人公

「ジリリリリリリリ」

 騒がしい目覚まし時計に起こされた。今日も会社に行かなければならない。会社に行くことは正直言って退屈だ。もちろん経路の話ではない。仕事内容が退屈だ。大学4年の時の就活をさぼらなければこんなことになることもなかっただろうと、一人思いをはせる。そもそも、こんなことになったのは誰のせいだ。小学3年生の時同じクラスだったマサ君。一週間だけ付き合って、好きな人がいると僕のことを振ったゆきえちゃん。話があるからちょっと来てと呼び出され、行ってみるとニヤニヤした顔で待っていた男子たち。僕の生活がちっとも楽しくないのはきっと彼らのせいなんかではない。人のせいにしようとすればするほど、現状を変えられない原因は自分にあると気づかされ、自己嫌悪にさいなまれる。布団を見やる。次の総理大臣が布団屋の息子にでもなれば、僕は一生寝ていられるな。